Off the job training(OffJT)について

Off the-Job Training(Off JT)ワーキンググループ

若手医師および研修医が外科的手技を習得するために、従来は実際の手術を行いながら学ぶOn the Job Training(On JT)を中心に行われてきました。そのためトレーニングの経験によって技術の優劣にバラツキがある可能性があり、Off the-Job Training (Off JT) の必要性がいわれてまいりました。昨今の医療の見える化推進とともに社会的要請を考慮し、各学会でOff JTシステムが構築されつつあります。3学会構成心臓血管外科専門医認定機構においても2017年の新規専門医申請の際、30時間のOff JTの必修化が課せられることも決定しております。

 血管外科医師は上記専門医を取得標榜することがそのキャリアにおける一つのmilestoneであり、Off JTの必修化にはしっかりと対応しなくてはなりません。血管外科の治療対象とする臓器は'頭蓋内および心臓以外の全ての血管'と広く、縫合吻合を中心とした手術の基本ともいえる手技や最近の血管内治療を考慮したトレーニングシステムが、血管外科医にとって必要ではないかと考えます。

 Off JT必修化に伴い血管外科独自の色合いのあるシステム構築を目指し、2017年に日本血管外科学会は研修プログラム作成委員会おいてOffJTワーキンググループ委員会を発足させました。システム構築は手探りの状況ではありますが、皆様からご意見を募りつつ、委員からも積極的にアイデアを出して議論を重ねていく予定です。今後、新専門医制度に関する新たな情報やOffJTのプロジェクト、アイデア、トレーニングの機会(ワークショップなど)の情報はホームページ上で随時アップデートしていく予定です。

 委員会メンバーは以下の通りです。

研修プログラム作成委員会委員長佐藤紀(埼玉医科大学総合医療センター)
OffJTワーキンググループ委員会顧問東信良(旭川医科大学)
OffJTワーキンググループ委員会委員長金子健二郎(新百合ヶ丘総合病院)
OffJTワーキンググループ委員会委員
(50音順)
梅田有史(日本大学)
大峰高広(広島赤十字・原爆病院)
尾原秀明(慶應義塾大学)
黒田陽介(札幌医科大学)
郡谷篤史(八幡総合病院)
児玉章朗(名古屋大学)
近藤慎浩(弘前大学)
坂本和久(京都大学)
保科克行(東京大学)
深山紀幸(関西医科大学総合医療センター)
鷲山直己(浜松医科大学)

Off JTの必修化

 前述のように2017年から新規専門医申請時にOff JTを30時間以上施行することが課せられています。現在は移行期であり、30時間未満であっても、試験資格は得られることとなっております。30時間未満であった医師は、「専門医取得後、更新時までに30時間のOff JT時間を取得する必要がある」との追記がありますので、ご留意ください。更に人工心肺を扱う事の少ない血管外科医にとって、心・大血管手術における体外循環及び補助循環5例の参加型見学の経験も課されていることは、視野を広げ全身の血管治療を俯瞰的に行うために非常に重要であります。

今回必修化されたOff JTは、心臓血管外科修練指導者のもと行う必要があります。修練後にご施設の指導者によりOff the-job training証明書の発行が義務付けられております。心臓血管外科専門医認定機構に掲載されている証明書の例を下記に掲載いたしますので、指導者はそちらを元に証明書を作成・発行してください。必須項目としては、受講者氏名、日付、トレーニング内容、トレーニング時間、修練指導者氏名とサインですが、その他の追加記載、アレンジ等は特に制限はありません。

証明書例:PowerPoint
心臓血管外科専門医認定機構ホームページ
Off the Job Training 認定要件

Off JTの実際

Off JTはワークショップ等、多施設の医師が集まる場でのトレーニングがまず考えられます。これらは講師の人数が多いことや、企業のシミュレーター等での練習が可能という点で効果が高く非常に有用です。しかし参加人数に制限があることや、長時間拘束されることも多く、それだけで30時間のトレーニング時間をまかなうことは困難です。
そのため各施設で行うトレーニングを、Off JT時間として換算していただくことをお勧めします。内容としては今までに行ってきたOff JT、すなわち余った人工血管を吻合する練習、糸結びの訓練など工夫して下さい。その際、(1)どのような場面設定(シミュレート)しての訓練か (2)1手技が何時間分に相当するか(難易度に応じて設定してください) に留意していただければ自由に設定していただいて結構です。そのほか、動脈系血管内治療のOffJT、血管内焼灼術のモデルを用いた穿刺)などが考えられます。

Off JTを行った場合、指導医は修了後に証明書を発行してください。
ちなみに、ワークショップや施設内Off JTでの座学はトレーニング時間に入りません。実際に手を動かしている時間をOff JT時間として算定してください。

<トレーニングプロジェクト紹介>

以下に参考として東京大学におけるOff JT研究の概要を示します。各施設においては、これをそのまま使っていただいても結構ですし、これをモデルとして施設ごとの案を構築していただいてもかまいません。

Project 1

研究課題名血管外科のOff the Job Trainingの手法とその評価
研究責任者保科克行
研究施設主任施設:東京大学血管外科
プロジェクト詳細PDF

<ワークショップ紹介>

日本血管外科学会主催でOff JT時間が付帯しているワークショップは以下のものがあります。

日本血管外科学会主催ではないワークショップで行われるOff JTも、トレーニング時間として換算できます。ワークショップ主催者(修練指導者含む)から日本血管外科学会へ申請があったものに関しては、審議の上ホームページ上でご紹介させていただきます。各ワークショップの認知度の向上と、参加される先生方の選択肢を増やすために、御利用下さい。会の規模には、制限はありませんので、少人数のものでも構いません。
下記リンクをクリックいただければ、ワークショップの申請と閲覧ができます。

ワークショップ掲載申請 ワークショップ閲覧