第30回日本血管外科学会総会にあたって
琉球大学医学部外科学第二講座
会長 古謝 景春
 この度,記念すべき第30回日本血管外科学会総会を南国沖縄の地で開催させて頂くことになりました.主催させて頂きます琉球大学医学部外科学第二講座にとりまして,誠に光栄であり,これまでにご指導とご鞭撻を賜りました先輩諸兄・会員の皆様方に心から厚く御礼を申し上げます.
 さて,本学会の源は1973年 4 月京都で開催されました第 1 回血管外科研究会とされ,血管外科フォーラムを経て,1992年 7 月に北海道大学の田邊達三先生主催のもとで,改稱第 1 回(過算第20回)総会から新たに日本血管外科学会となって現在に至っております.その間,末梢血管から大動脈領域,消化器外科,脳神経外科,形成外科,移植外科領域等からの参加者を含めて会員数も毎年増加し,現在では2,000名を超える大所帯となってまいりました.ここまで本会を育てて頂きました血管外科研究会創設時のメンバーの三島好雄先生,阪口周吉先生,上野 明先生,田邊達三先生,古川欽一先生,勝村達喜先生,草場 昭先生のご苦労に対しまして改めまして厚く御礼を申し上げます.
 以後,本学会は多くの優れた先輩諸先生方の貢献により,充実発展して参りましたが,今回の学会のテーマを「血管外科学・温故知新」と致しました.21世紀を迎えた今日いささか古い言葉でありますが,「ローマは 1 日にしてならず」の諺のとおり,今日の血管外科領域の著しい進歩は,長い間の先達のご苦労なしでは達成されなかったと考えるからであります.このようなことから区切りの第30回学術集会の特別企画(記念講演)として,本学会の生みの親・育ての親であります三島好雄先生に「温故知新-我が国の血管外科」と題して,ご講演を頂くことになりました.本邦における血管外科の黎明期から今日までの先駆者のご苦労が語られ,今後の展望が拝聴できるものと期待致しております.
 招請講演として,腹部大動脈以下末梢血管領域からImig 教授,Horrocks 教授,Shah 先生,胸部大動脈領域からSchepens 先生,Schumacher 先生,Spielvogel 先生 の各 3 名の比較的若手の先生方をお呼び致しました.いずれの先生方も現在第一線で手術をされる血管外科医であり,欧米における各分野の進歩と現状が把握できるものと楽しみに致しております.さらに,教育講演として中島 豊先生(九州大学病理病態学)に「大動脈解離ならびに大動脈瘤の病理」のタイトルでご講演をお願い致しました.日常診療で扱うことの多い本疾患の発生・形態を病理学的立場から,興味ある知見が拝聴できるものと考えております.
 公募演題からは冠疾患を有する腹部大動脈瘤・大動脈全置換・その他の大動脈外科・末梢血管外科・静脈外科・ステント治療・低侵襲手術・血管新生療法等,最近のこの方面の進歩を背景にシンポジウム 5 題,ビデオシンポジウム 6 題,パネルディスカッション 5 題,ワークショップ 2 題を中心に企画致しました.いずれの領域も最近の成績向上はめざましく,さらなる進歩を目指して白熱した論議の場にして頂けるものと考えております.さらに,要望演題,ビデオセッション,一般演題と例年をはるかに上まわる多数の演題の応募を頂き,いずれも内容のある演題であり合計547題を採択させて頂きました.会場の都合から 2 日間の学会期間での全演題の口演での発表は困難であり,一部の演題をポスターセッションとして発表して頂くことになりましたことを,お詫び申し上げますとともに活発な討論を期待致しております.
 学会は会場数の都合で,県内最大の会議場であります沖縄県宜野湾市の沖縄コンベンションセンターとさせて頂きました.那覇市内からは10キロほど北に位置し,近くに大きなホテルが少なくご不便をおかけ致しますが,那覇市内からシャトルバスを運行させる予定でありご利用頂きますようお願い致します.5 月中旬の沖縄は初夏の到来を告げるシーズンでございます.ご参加の先生方には,学会の合間にテレビドラマ「琉球の風」,「ちゅらさん」等でおなじみの沖縄の海・名所旧跡も散策頂ければと考えております.
 なお,本学術集会は準備段階から教室員の手作りで運営致します都合上,先生方には何かとご迷惑をおかけ致しますが,何卒ご容赦のほどよろしくお願い申し上げます. 最後に,この記念すべき第30回日本血管外科学会総会が実りある学術集会となりますよう,会員の先生方の多数のご参加を期待し,皆様方の今後の益々のご健康とご活躍を心から祈願致しております.