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第32回 日本血管外科学会総会
Aortoiliac及び大腿動脈閉塞症に対する血栓内膜摘除術の是非について
綾部市立病院外科
白方 秀二,鴻巣  寛,沢辺 保範
藤原 郁也,井上 知也
 【目的】近年,血管内治療法の向上により動脈硬化性血管疾患に対する血行再建術の選択枝も多様となってきた.我々は従来から自己血管の温存目的で可及的に血栓内膜摘除術(以下TEA)を適応してきたので,それらの手術成績に検討を加え報告する.【対象】平成 2 年開院以来,13年間に当院で手術したASO症例は319例(男:301,女:18)である.今回対象とした aortoiliac 及び大腿動脈閉塞症に対するTEAは50例(男:49,女:1)ある.臨床病期はすべてFontaine 2 期であり,手術時平均年齢は66.8歳(43~82歳)であった.手術は閉塞部位がaorto-iliacの10例には経腹的に,common-iliac の21例,external-iliac の 5 例には腹膜外アプローチで行った.総大腿動脈閉塞 3 例,浅大腿動脈限局性閉塞 8 例は局所麻酔下にTEAを行った.その他,膝下動脈 1 例,ステント留置トラブルによるTEAが 3 例あった.閉塞原因は解離腔内へのステント留置,シース刺入部での内膜剥離などである.TEAは基本的に semi-closed で行い,末梢側の処理は端端吻合あるいは確実に内膜固定を行うなど工夫をしている.【成績】手術死亡及び下肢切断例はない.総腸骨動脈閉塞の 1 例では,一旦体外に取り出し内膜摘除後,抗血栓性付与を行い移植したが早期に閉塞したため,以後は中止した.総腸骨動脈TEA後の遠隔期閉塞は 2 例(術後 5 年目)あるが,いずれも解剖学的バイパスで再建した.浅大腿動脈の 1 例に術後TEAとは別の部位の病変進行による閉塞が 1 例あった.他は全例開存している.【結語】画像診断の急速な進歩によりASOの早期診断が可能となり,血行再建術の適応となる対象患者も増加している.血管内治療が急増する中,他の治療法とも比較しTEAの是非につき retrospective に検討し報告する.