PO-129
第33回 日本血管外科学会総会
人工血管を用いた透析用ブラッドアクセスに対する予防的PTAの効果
東京慈恵会医科大学外科
1
萩原医院
2
戸谷 直樹
1
,萩原 博道
2
,黒沢 弘二
1
墨 誠
1
,鳥海 久乃
1
,根岸 由香
1
石井 義縁
1
,立原 啓正
1
,矢永 勝彦
1
【はじめに】透析患者において自家動静脈でのブラッドアクセスが困難な症例には人工血管を用いた動静脈ろうの増設が行われるが,開存率は一般的に自家動静脈を用いた手術より低い傾向にある.われわれは可能な限り定期的に術後狭窄率の評価を行い,狭窄を認めた症例には予防的PTAを行っている.今回,人口血管を用いた内シャント手術のうち追跡調査が可能であった症例の患者背景と予防的PTAの効果について検討した.【対象】1996年から2004年までに当院および関連施設で行った人工血管内シャント手術例のうち追跡可能であった35例を対象とした.グラフトの種類はPTFEが34例で,1 例のみポリウレタンを使用した.【方法】基本的に内シャント作製後は血液透析が可能な状態であっても,術後 1 ヶ月後とその後は 3 ヶ月毎にduplexによる狭窄率の評価を行い,75%以上の狭窄を認めた場合は予防的にPTAを行った.また,透析時に血流不足を認めてきた場合は適宜PTAを行った.グラフト開存率の評価はKaplan-Meier生存評価法で行い,援助一次開存率と二次開存率を算定した.【結果】平均年齢は65.1±10.2歳で,男女比は22:13であった.8 例(23%)に糖尿病を認めた.手術部位としては,前腕部が 9 例,上腕部が26例であった.予防的PTAは18例(51%)に施行し,その回数は平均 2 回(1 ~ 6 回)であった.グラフトの援助一次開存率と二次開存率は,6 ヶ月で87.8%対100%,1 年で58.6%対93.2%,2 年で39.6%対76.8%であった.【結論】人工血管を用いた内シャント手術は予防的PTAの施行によっ て高い長期開存率を得られると考えられた.