VS4-4
第33回 日本血管外科学会総会
TLA針を用いたエコーガイド下冷却TLA麻酔で行う局麻下ストリッピング術
高知大学医学部呼吸循環再生外科学1
医療法人仁栄会・島津病院2
松本 康久1,小田 勝志2,岡崎 泰長1
笹栗 志朗1
 我々は局麻下ストリッピング術を,EVLT(Endovenous laser treatment)手技の経験から,エコーガイド下に確実に抜去静脈周囲に冷却TLA(Tumescent local anesthesia)麻酔液を注入し,麻酔と剥離を確実に行う手技を考案し行っている.本法は,静脈麻酔に頼らずに手術中の除痛が十分に得られる利点があると思われる.当初の方法は20Gカテラン針を頻回に穿刺注入する方法を行っていたが,穿刺痛や術後の穿刺孔からのTLA液排出が問題となった.そこで,今回我々はTLA針を用いたエコーガイド下手技により,穿刺数を減らし麻酔の迅速化を図る工夫をしたので,手技をビデオを用いて供覧し報告する.手術方法は,まず高位結紮を行い末梢側へストリッパーを挿入する.このストリッパーをエコー下に描出し,大腿下部に穿刺点を設け,ここから頭側にTLA針を穿刺する.先端を伏在静脈近傍に穿刺しTLA液を注入する.頭側に 3 ~ 5 cmずつ進め確実に麻酔液を注入する.先端が的確な位置に来ない場合は,従来の20Gカテラン針を用いることで局麻を補足注入する.最後に末梢側へ内翻法抜去を行う.本工夫を2004年12月から導入し,現在までに 7 例10肢の大伏在静脈由来伏在型下肢静脈瘤に行った.患者平均年齢は64.0±8.4歳.C2:C4:C6=5:3:2 であった.平均総手術時間は58.1±30.4分.片側での平均手術時間は42.3±13.9分.1 肢あたりの平均TLA使用量291.0±58.2ml,平均リドカイン使用量335.0±116.9mgであった.抜去静脈の平均長は31.1±4.3cm.穿刺数は従来法より著明に減じえたため穿刺痛の問題がほとんどなくなった.内翻法による抜去時断裂を 5 肢に認めたが全回収できた.TLA針刺入に用いた小孔がドレナージ作用を持ちそこに吸収パットを当てる事で,術後管理が容易になる利点が認められた.以上,我々が行っている局麻下ストリッピング術のエコーガイド下TLA麻酔法の工夫について報告する.