PO-47
第34回 日本血管外科学会総会
透析患者における下肢動脈バイパスとPTAを組み合わせた治療戦略
東葛クリニック病院
1
東京医科大学第二外科
2
佐藤 正宏
1
,中井 宏昌
1
,佐々木 司
1
東 仲宜
1
,重松 宏
2
【目的】透析患者における下肢動脈の閉塞性病変は近年増加傾向にあり,その治療成績は非透析症例に比べ不良であると言われている.今回我々は,透析患者の下肢動脈病変患者に対し,積極的血行再建を行い,その中で動脈バイパス術と血管内治療を組み合わせた治療について検討した.【方法・目的】当院に於いて2004.1月からこれまでに下肢動脈バイパス術を施行した透析患者15例のうち 5 例に対し併用治療を行った.症例は男性 5 例,平均年齢63歳,平均透析年数 8 年.Fontaine分類 2 度 1 例,4 度 4 例.大腿膝窩動脈バイパス 3 例,膝窩前頚骨動脈バイパス 1 例,外腸骨大腿動脈バイパス+大腿前頚骨動脈バイパス 1 例.全例にPTA併用した.【成績】バイパスは全例開存しており,PTA後も再狭窄を認めなかった.Fontaine 2 度は 1 度に改善した.4 度のうち 3 例は潰瘍は縮小ないし治癒にいたったが 1 例では救肢できなかった.【考察】透析患者では動脈閉塞性病変が下肢動脈全長に及ぶことが多い.更にグラフトに用いる自家静脈が荒廃しており,長距離に及ぶバイパスが困難な症例が多い.そこで可能な限りバイパスを行い,PTAを追加して行ったが,ほぼ満足しうる結果を得た.一例は感染がコントロールできず大腿切断となり,感染が予後を左右する重要なファクターではあるが,積極的な血行再建は透析症例においても有効な方法であると考えられた.【結語】透析患者における血管内治療を併用したバイパス手術は有効な治療法と考えられる.