症例 日血外会誌 9:417-421,2000 

頸部悪性腫瘍手術に対する血行再建術の経験

池永  茂,森景 則保,竹中 博昭,藤岡顕太郎,善甫 宣哉,江里 鐸輔
山口大学医学部第1外科

要  旨:頸部領域の悪性手術における動脈または静脈血行再建術を3例経験した.症例は舌癌術後対側頸部再発(症例1),喉頭癌術後気管孔再発(症例2),喉頭癌術後対側頸部再発(症例3)であった.症例1では根治的頸部郭清と総頸動脈摘出を施行し,大伏在静脈で内頸動脈を補助手段なしで再建した.症例2では術中に腕頭動脈を損傷したため,ePTFEグラフトを用いて左鎖骨下-右総頸-右鎖骨下動脈バイパスを施行した.症例3では根治的頸部郭清時に内頸静脈を切除し,大伏在静脈をパネルグラフトとして用いて再建した.3例中術中死亡はなかった.症例1では両側内頸静脈が切除されたため,術後顔面浮腫をおこした.まとめ:1)頸動脈再建は断端圧が50mmHg以上であれば補助手段なしで可能である.2)両側内頸静脈摘出例では一側の内頸静脈再建が必要と考えられた.

索引用語:内頸動脈再建,内頸静脈再建,パネルグラフト

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