第31回日本血管外科学会総会開催にあたって | |
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この度は伝統ある日本血管外科学会の第31回年次総会を,平成15年 7 月10日(木),11日(金)と金沢市で開催させて頂くことになり,金沢医科大学胸部心臓血管外科学教室にとりまして誠に光栄に存じますと共に,いろいろと御指導御支援頂きました諸先輩・会員の先生方に深く感謝申し上げます.お陰様で480 題をこえる演題を頂戴いたしまして誠に有り難う御座いました. 総会そのもののテーマは“創造と応用”といたしました.科学は総て創造と応用の世界であり,血管外科の領域でも診断において,あるいは治療において多くの先達の創造とそれらの応用から今日に至っております. さて日本血管外科学会では,理事長中島伸之先生の欧米およびアジアの血管外科学会と強力にタイアップして大きくグローバルに前進しよう,とのお考えから種々の国際的な結びつきが行われつつあります.その方針に従いまして今回は,アメリカ血管外科学会会長T. S. Riles 先生,ヨーロッパ血管外科学会会長A. Nevelsteen 先生(ベルギー),さらにアジアを代表して韓国血管外科学会(ソウル大学教授)のS. J. Kim 先生を招請申し上げました.また,血管外科学における最高の学術雑誌Journal of Vascular Surgery のEditor EmeritusのK. W. Johnston 先生(カナダ),ドイツ病理学会から肺動脈血栓塞栓症に関してK. Kayser 先生,そして胸部大動脈御専門のJ. E. Bavaria 先生(アメリカ),ステントグラフトのM. S. Makaroun 先生(アメリカ),と計 7 人の先生方の招請講演をもうけました. シンポジウムは,アメリカ,ヨーロッパ,韓国そして日本における血管外科医の修練とcertification に関する特別シンポジウムを始めとして,時代の先端を行く血管新生療法に関するシンポジウム,手術かendovascular surgery か,など 5 つのシンポジウム,ビデオシンポジウム 7,パネルデイスカッション 3,を企画いたしました.要望演題,一般演題(口演およびポスターセッション)では,先生方の日頃の御苦労・ご経験をご発表して頂きたく存じます.ビデオセッションも大いに御活用下さい.大血管,動脈,静脈をはじめマイクロサージャリー,頭蓋内外動脈,腹部内臓血管など全血管領域において,テーマといたしました“創造と応用”と言う観点からおおいに討論して頂ければ,と思っております. また特別講演として,厳しくなる一方の現在の日本の医療行政の問題点に関するお話を,国立保健医療科学院の小林秀資先生からお伺いする事にしました. ランチョンレクチャーを 2 日間で 8 コマと,モーニングレクチャーを 1 コマもうけさせて頂きました. 今回はその上,今後アジアの血管外科の中心として重要な役を担っていく日本および韓国の合同血管外科ミーテイングの第 3 回会議が,東京医科歯科大学岩井武尚教授のもと総会 2 日目に同時開催され,さらに第30回総会から始まった,日本血管外科学会主催第 2 回教育セミナーも,腹部大動脈瘤をテーマに総会翌日の 7 月12日(土)に行われ,非常に有意義な 3 日間になるのではと存じます.心臓血管外科専門医制度も新たに動き出しました. 会場は兼六園のそばですが,金沢市観光会館,石川厚生年金会館など四つの建物に分散されてしまい,その点,皆様方には非常にご不便をおかけすると心苦しく存じておりますが,勉強の合間には一部が再建された金沢城や兼六園を始めとする歴史に触れて頂き,また日本海の幸をも十分に味わって頂きたいと存じております. 皆様どうか暑い時期では御座いますが,多数そろって金沢へお越し下さいますよう心からお待ち申し上げております. |
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