会長挨拶

第37回日本血管外科学会学術総会 会長 太田 敬(愛知医科大学血管外科)

この度、伝統ある第37回日本血管外科学会総会を2009年5月13日(水)、14日(木)、15日(金)の3日間、名古屋国際会議場で開催させていただくことになりました。
日本血管外科学会は、1963年血管外科研究会として発足以来、血管外科フォーラムを経て、名称も新たに1992年設立されたました。この伝統ある学会開催をお世話させていただくことはこのうえなく光栄なことと思っています。

第37回総会のスローガンを「Plus Ultra: 血管外科の創造する未来へ」としました。Plus Ultraとは「さらに先に、もっと前に」という意味のラテン語です。1492年コロンブスによって新大陸が発見されるまで、ヨーロッパの人々にとってジブラルタル海峡は世界の果ての地と信じられており、それまでスペイン王家の紋章には地の果てである「ヘラクレスの円柱」とともに「Ne Plus Ultra」(この先はなし)という文字が書かれていました。しかし、その先には更なる新世界が広がっていることが分かり、ローマ帝国皇帝カール5世はその紋章から、否定詞の「Ne」をとり「Plus Ultra」と改めました。

最近の動脈疾患や静脈疾患に対する血管内治療の進歩には驚くべきものがあります。まさしくこれは従来の外科的手術の常識や既成概念にとらわれず、未知の世界へ挑戦する情熱をもち「さらに先に、もっと前に」と研究が進められた成果ではないかと考えます。

現在、シンポジウム、パネルディスカッション、要望演題の募集要項を鋭意検討中ですが、日本血管外科学会設立の趣旨に沿い「血管外科手技を広く治療に取り入れている各領域の診療科の交流により血管外科学の進歩を図る」企画とさせていただきたいと思っています。

会員諸兄のご指導、ご協力を宜しくお願い申し上げます。

平成19年6月吉日

第37回日本血管外科学会会長
太田 敬
愛知医科大学血管外科学教室