学会モデル研究事業

日本血管外科学会では、新たなエビデンスを構築し、会員の皆様に有益な情報を広く共有していただくことを目的として、National Clinical Database (NCD)データを活用した血管外科領域の研究を推進する方針です。

感染性腹部大動脈・総腸骨動脈瘤の治療と予後に関する後向き研究

このたび、日本血管外科学会データベース管理運営委員会が主体となり、NCDデータを利用する最初の試みの一つとして、感染性腹部大動脈・総腸骨動脈瘤の治療と予後に関する後向き研究を行うことになりました。 腹部大動脈・総腸骨動脈瘤のうち、感染性動脈瘤が占める割合は1-2%程度と推測されており、比較的稀な病態ですが、治療に難渋することが少なくありません。ステントグラフト内挿術の有効性も明らかではなく、治療方針が確立しているとは言い難いのが現状です。 本研究は、NCDに登録された本症手術症例を集計し、その病態と手術術式、術後の予後について検討することを目的とします。ただし、現在NCDに登録されている術前、術中、術後情報では詳細な解析が困難であるため、手術症例を登録した各施設にご協力をお願いし、追加情報(術前血液データ、術後の予後など)のご提供を依頼申し上げる予定です。データの収集、解析は全てNCDが行います。 本研究が、感染性腹部大動脈瘤・総腸骨動脈瘤に対する治療法確立に向けた一歩となりますように、皆様のご協力をお願いいたします。

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膝窩動脈捕捉症候群の術式と予後の検討

日本血管外科学会のデータベース管理運営委員会が主体となり、NCDと協力して、「感染性腹部大動脈・総腸骨動脈瘤の治療と予後に関する後向き研究」に続き「膝窩動脈捕捉症候群の術式と予後の検討」の研究を実施します。膝窩動脈捕捉症候群(以下、本症)は非常にまれな疾患であり、正確な発症頻度は不明です。また、これまでに大規模な報告はなく、限られた症例数の報告しか認められないため、治療を明確に規定するガイドラインやエビデンスが存在しないのが現状です。各施設で経験する症例が少ないため、本症の治療方法や予後について単施設の症例で検討するには限界があります。本研究は、NCDに登録された本症手術症例を集計し、その病態と手術術式、術後の予後について検討することを目的としていますので、皆様のご協力をお願いいたします。

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