NCDデータを利用した複数領域にまたがる新規研究課題公募のお知らせ

2018年7月

関係団体各位

特定非営利活動法人日本血管外科学会
臨床研究推進委員会

NCDデータを利用した複数領域にまたがる新規研究課題の公募

1.はじめに

臨床現場の医療情報を体系的に把握し,医療の質の向上に資する分析を行い,もって一般市民に最善の医療を提供し,適正な医療水準を維持することを目的として,2010年に「一般社団法人National Clinical Database (NCD)」が設立されました.NCDのデータベース事業は2011年1月から登録が開始され,毎年100万例を超える,膨大な診療データが蓄積されています.
この巨大なNCDデータベースには、外科系基本領域である消化器外科,呼吸器外科,乳癌、内分泌外科、甲状腺外科,心臓血管外科,小児外科をはじめ,2015年度から日本病理学会が,2016年度から日本泌尿器科学会,日本形成外科学会が加盟しております.NCDデータベースでは,共通のプラットフォームで複数領域のデータを蓄積することで,領域間の比較やデータの集約が可能であります.
このたび,日本外科学会にてNCD社員学会より複数領域(異なるデータベースの複数の領域)にまたがる研究課題の提案を募ることとなりました.複数領域で横断的な課題を検討することで,広く国民に還元できる研究成果が期待できると考えております.

2.公募する研究種目

今回,公募する研究種目は次のとおりです.
(1)過去のデータを利用した研究(後向き研究)
すでにNCDに登録されているデータを利用して行う研究です.本年度募集する研究課題では,2011年から2017年までのデータが対象となります.
(2)データ追加型研究(前向き研究)
現在のNCD登録項目に新規項目を追加して,新たなデータを収集して研究を行うことができます.新規追加項目へデータを入力するのは,あらかじめ登録された施設(診療科)に限定されます.本研究種目では,NCDシステムに追加項目を実装する必要があるため,研究開始(新規追加項目への登録開始)は2020年1月1日となる見込みです.

3.対象となるNCDデータ

NCDに登録された全てのデータを対象とします.ただし,データは,申請・採択された項目をNCDでリスク調整した形で提供されます.
■データ利用許可依頼が可能な関連学会
日本外科学会,日本消化器外科学会,日本小児外科学会,日本胸部外科学会,
日本心臓血管外科学会,日本呼吸器外科学会,日本内分泌外科学会,日本乳癌学会,
日本甲状腺外科学会

4.応募資格

対象となるのは,外科系のNCD社員学会(日本外科学会,日本消化器外科学会,日本小児外科学会,日本胸部外科学会,日本心臓血管外科学会,日本血管外科学会,日本呼吸器外科学会,日本内分泌外科学会,日本乳癌学会,日本甲状腺外科学会)であり,以下の(1)~(3)を満たしていることが必要です.
なお,申請された研究について単独学会で充分に研究できると判断されれば,申請学会
へその旨を回答して差し戻すことになります.
他の領域のデータ項目は,NCDホームページ内に掲載しているCRF(Case Report Form)にて確認可能であるため,計画する際にまず他の領域のCRFを見てから検討していただくようご留意ください.
(1) 当該学会の公式機関において計画された複数の領域(異なるデータベースの複数の領域)にまたがる研究課題であること.
(2) 1名の研究代表者と1~複数名の研究分担者が指定されていること.
(3) 当該学会の代表者の承諾を受けていること.
 
【各領域CRF(Case Report Form)掲載箇所】
1)症例登録ポータル画面内(右側)に設置されているメニューボタンの「CRF,マニュアル」をクリックする.
2)「CRF,マニュアル」ページ中段の専門医制度別入力項目一覧にて,各領域の年度別のCRFが掲載されています.

5.応募方法

別添の「複数領域新規研究課題申請書」及び「承諾書」に必要事項を記入し,応募期間内に郵送にて提出してください(下表参照).なお,後日,原本にあたる電子データの提出をお願いする場合がございます.

提出書類 提出数
・「複数領域新規研究課題申請書
・「代表者の承諾書
1通
1通

提出先

〒163-0704東京都新宿区西新宿2-7-1小田急第一生命ビル4F
公益財団法人 日本心臓財団内
特定非営利活動法人 日本血管外科学会 宛

6.応募期間

2018年7月2日(月)から9月28日(金曜日)16時必着
※事務局にはメールボックスがございませんので、直接の持ち込みはご遠慮ください。
前向き研究は資金確保の目途をつけて随時申請となりますが,後ろ向き研究は応募期間を過ぎて提出された申請書は,いかなる理由であっても受領できませんので,あらかじめ余裕を持って提出してください.

7.研究課題の選定

(1)審査方法
日本血管外科学会で承認後、日本外科学会へ提出し、2ヶ月以内に関係学会にてデータ利用の許諾や協力可能について選定します.関係学会にて選定された研究課題は,NCDと協議を経て,採択の可否が決定されます.なお,選考の経過については通知しません.また,お問い合わせにも応じられません.
研究課題の選定に係る評価は,提出された申請書に基づいて行いますが,必要に応じて追加資料の提出を求める場合や,申請内容に関してヒアリング等を行うことがあります.
(2)審査結果の通知
採択・不採択の結果は,2019年2月下旬頃,研究代表者あてに通知します.選考理由については公表いたしません.

8.研究経費

本研究にかかる経費は全て申請者の負担となります.データ追加型研究の場合は,項目実装に関してシステム構築をNCDに業務委託(有料)する必要があります.また,データ解析も有料となります.申請者が負担できない場合は,学会が負担するなど対応をお願いすることになりますのでこれらの研究経費の確保にもご留意ください.なお,関連学会間で協議することになります。
解析費用は【1課題あたり150万円から300万円前後】が目安となりますが,研究の内容によって変動し高額となる可能性があります.NCDと相談のうえ,事前にご確認ください.
また,データ追加型研究におけるシステム構築費用は,追加する項目の仕様によって変動します.下記をご参考にして頂ければ幸いです.
なお,上記の費用は学術団体向けの特別な金額のため,一般企業との研究では数倍の費用が見込まれております.
参考: 特定の術式を選択した際に10項目程度を追加する場合 【50万円から60万円前後】

9.応募に当たっての注意事項

(1) 提出された申請書をもとに,NCD臨床研究委員会から関連学会に確認するため,関連する学会から事前にデータ利用の承認を得る必要はありません.
(2) 提出された申請書を日本血管外科学会が受領した時点で,研究代表者へメールにて受領のお知らせをお送りいたします.提出後,受領のお知らせメールを確認できない場合は,日本血管外科学会事務局までお問い合わせください.
(3) 応募された申請書は返却いたしません.
(4) 採用された場合,当該学会または研究代表者の所属施設の倫理委員会の承諾を受けること.
(5) 研究成果の発表,論文化,特許申請など,研究成果の取扱いについては,関連学会,NCD運営委員会と別途協議を行います.
(6) 研究を論文化する際のAuthorshipの構成,著者順などについては,関連学会,NCD運営委員会との協議を行う必要があります.
Authorshipに関する基本方針は,下記をご参考ください

10.本件に関するお問い合わせ先:日本血管外科学会事務局

〒163-0704東京都新宿区西新宿2-7-1小田急第一生命ビル4F
公益財団法人 日本心臓財団内
TEL:03-5989-0991 FAX:03-5324-0822 E-mail:JSVS-CR@umin.ac.jp

参考:過去に採択された複数領域研究課題例

団体名(申請順)研究代表者名研究課題名
日本外科学会 瀬戸 泰之 NCDデータ活用による肥満が手術に及ぼす影響に関する調査研究
日本外科学会 土岐 祐一郎 National clinical database(NCD)を利用した外科領域における周術期静脈血栓塞栓症の頻度とリスク因子の同定およびスコアリングシステムの構築
日本外科学会 長谷川 潔 NCDデータを用いた外科手術短期成績における高年齢の影響に関する研究

参考:NCDから提示されているAuthorshipに関する基本方針

  1. 1. 著者として、個人が所属する病院などの組織ではなく、データベースの利用に責任を持つ学会を所属元とする必要がある
  2. 2. 著者構成は、論文の執筆を行った第1著者、解析担当者、データベース責任者、学会責任者、学会内のスーパーバイザー、第 1 著者所属組織の責任者や連携研究者(2,3 名)として、8 名程度を基本構成にしている(人数等、投稿先の規定に準ずる。)
  3. 3. 著者の規定には ICMJE(international committee of medical journal editors)の定める規定に準拠し、名誉的な関わりでの記載は認められず、記載された著者は全てその内容に責任を有する。

2018年採択課題一覧

代表研究者(所属)研究課題
1保坂 晃弘(多摩総合医療センター)腹部大動脈領域の人工血管・ステントグラフト感染に対する術式と予後
2清家 愛幹(国立循環器病研究センター)腹部ステントグラフト内挿術における、持続するtype II エンドリークの瘤拡大へ及ぼす影響一予防的塞栓術の必要性
3駒井 宏好(関西医科大学総合医療センター)閉塞性動脈硬化症重症下肢虚血患者の予後に対する悪性新生物の影響
4古屋 敦宏(旭川医科大学)虚血肢に対するバイパス術後術創合併症の発生に及ぼす因子解析