人工血管内シャントの静脈側吻合部狭窄治療に対するゴア バイアバーン ステントグラフトの保険算定に関する注意喚起

ゴア® バイアバーン® ステントグラフト(承認番号:22800BZX00070000)は、新たな適応として、人工血管内シャントの静脈側吻合部狭窄への使用が令和元年10月7日に薬事承認されました。これに伴い、関連5学会(日本透析医学会、日本心血管インターベンション治療学会、日本IVR 学会、日本血管外科学会、日本脈管学会)により適正使用指針が策定され、令和2年6月1日より当該適応に対する保険適用も開始されたところであります。

今般発出された保険の算定に関する通知により、ゴア® バイアバーン® ステントグラフトを用いた人工血管内シャントの静脈側吻合部狭窄治療の術者にあっては、K616-4経皮的内シャント拡張術・血栓除去術」を 100 例以上実施した経験を有することとし、当該症例一覧(実施年月日、手術名、患者の性別、年齢、主病名)を診療報酬明細書に添付することが求められます。

一方、関連5学会で策定した適正使用指針では、術者について、浅大腿動脈ステントグラフト実施資格を有する場合に内シャントPTA100例の経験を不問としていました。しかしながら、上述の通り保険算定ではすべての術者に対し「K616-4経皮的シャント拡張術・血栓除去術」を 100 例以上実施した経験を有することが求められます。会員の先生方、特に浅大腿動脈ステントグラフト実施資格を有する先生におかれましては、この点に充分ご留意くださいますようお願い申し上げます。

特定保険医療材料の材料価格算定に関する留意事項について(保医発05291 令和2529日)

191 末梢血管用ステントグラフト(抜粋)

() 末梢血管用ステントグラフトを用いた人工血管内シャントの静脈側吻合部狭窄治療の実施に当たっては、関連学会の定める適正使用指針における術者要件を満たすことを証明する書類の写しを添付すること。また当該術者にあっては、区分番号「K616-4経皮的シャント拡張術・血栓除去術」を 100 例以上実施した経験を有することとし、当該症例の一覧(実施年月日、手術名、患者の性別、年齢、主病名)を添付すること。

人工血管内シャントの静脈側吻合部における狭窄又は閉塞に対するゴア バイアバーン ステントグラフトの適正使用指針

(抜粋)

5.術者

  • 企業の行う教育コースおよびハンズオンを受講していること。
  • 透析専門医、IVR 専門医、心臓血管外科専門医、心血管インターベンション認定医、若しくは日本血管外科学会認定血管内治療医で内シャント PTA100 例の経験を有すること、又は浅大腿動脈ステントグラフト実施医資格を有すること。

なお、本適正使用指針の術者要件に定められておりますように、人工血管内シャントの静脈側吻合部狭窄治療における使用については企業の行う教育コースを受講していることが求められます。すでにゴア® バイアバーン® ステントグラフトの浅大腿動脈の狭窄・閉塞治療又は血管損傷治療の実施医資格をお持ちの先生におかれましても、改めて受講が必要となりますのでご注意下さい。

教育コース問い合わせ先

日本ゴア合同会社 
メディカルプロダクツディビジョン
ワークショップ担当
viabahn_ws@wlgore.com

『本学会を含む関連五学会としては、透析シャントのPTA治療の経験のみならず、バイアバーン® の使用に精通した術者【浅大腿動脈ステントグラフト実施資格医】の本領域での加療は、本製品の安全性の担保の意味でも重要と考えており、現在厚生労働省医療課との疑義照会としての面談を計画しており、その結果は速やかに本HPで掲載する予定であります。』

人工血管内シャントの静脈側吻合部狭窄治療に対するゴア バイアバーン ステントグラフトの保険算定に関する注意喚起文書